低温を綴じて、なおさないで
受け入れざるを得なかったキスで、勘違いさせてしまっただろうか。わたしの足をなぞってスカートの中に侵入するかしないかで自由に動く大きな手を制止する。これ以上、葉月くんにわたしを差し出せない。
絡まった指も同じようにほどいて、光を失って欲望だけを取り込んだ彼の視線と、わたしの諦めた視線を結びつけた。
身体だけ離して立ち上がって、はっきりと拒絶を言葉にして空中に放り込んだ。
「行きません、葉月くんとはできません。ごめんなさい、おかしいってわかってる、矛盾してる。それでも、ほかのひとならいやなことも、直ならいいの」
「……何、あいつはそんなに上手いの? 俺そんなにキス下手だった?」
「そーじゃなくて、あの、わたしは──」
「あーもういいよ。テキトーに女呼ぶから。ヤれない女なんて興味ねーからさ」