低温を綴じて、なおさないで
「あの手紙のこと、勝手にずっと引っかかってて。教えてくれてありがとう」
……とはいえ。この話を聞いていて感じたことがあって、それに自分がいちばん嫌気が差していた。
ごまかすために渡されたペットボトルを手に取って、言葉ごと流し込んだつもりだったけれど、意に反して唇からこぼれてしまう。
「でもやっぱり、直からわたし以外の女の子の名前聞くの妬けちゃう……」
元カノだから何もおかしくはないのに、直が呼ぶ“真咲”に嫉妬してしまう。こんなんでいちいち妬いてたら身がもたないことくらいわかっているのに。
こんなことを言うの、すごく面倒なのわかってるしどうにもならないのに、止まらなかった。重いって愛想尽かされても仕方ない。
「……あーもう、なんでそんなに可愛いわけ」