低温を綴じて、なおさないで

視線の先、クリスマス仕様に賑やかなLEDライトで飾られた家が視界に入ってつい口にしてしまったけれど、この言い方じゃ誘ってるみたいですぐに後悔が落ちる。


でもこれで、クリスマスをどうするかで葉月くんとのこれからが決まるんじゃないかとも思う。いつまでも、こんなふうに会い続けることに何か意味があるのか、とすこし、脳裏に浮かんだ。




「……友達と、男友達と過ごすよ」


「…………わたしは今のところ、空いてる」


「その間に栞ちゃんに彼氏ができたら、嫌だなあ」




──じゃあ、あなたがなってくれたらいいのに。


──わたしがほかの誰かに取られる前に、攫ってくれたらいいのに。



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