恋する花束を君に
「だって、、、ズルいじゃない、、、。」
由美子が微かに震える声で言った。
「なごみは、わたしが欲しいもの全部持ってる、、、。航太の気持ちもなごみに向いて、わたしは見向きもされない。なごみはわたしよりあとに入社してきたくせに、大事な仕事を任されてる。こないだ、課長連中が、三崎さんをチーフにする話しを進めてもいいんじゃないかって、話してるのも聞いて、、、何でなごみばっかり?って思った。他の部署の人たちからも、なごみは評判が良い。だから、、、意地悪したくなっちゃったの。」
由美子は俯いたままそう言うと、「バレちゃうなんて思わなかったなぁ。」と鼻で笑った。
「由美子!あんた、そんな理由でなごみにこんなことしたの?!」
絵里がそう言うと、由美子は「絵里だって、なごみの事ズルいって言ってたじゃない!わたしらよりあとから来たくせに、課長たちに色目使ってるんじゃない?って、言ってたじゃない!」と声を荒げて言った。
絵里は由美子に言い返され、何も言えずにいた。
「わたしはずっと、なごみが嫌いだった、、、。仲良くしてたフリしてただけだよ。」
由美子はそう言うと、椅子から立ち上がり、バッグとコートを持って会社から出て行った。
静まり返る社内。
わたしは、あまりのショックに力が抜け、その場に座り込んでしまった。
「三崎さん、大丈夫ですか?」
薗田さんがしゃがみ込み、心配してくれる。
すると、絵里が近付いて来て、床に膝をつくとわたしを抱き締め「なごみ、ごめん!」と泣きながら謝ってくれた。
わたしは絵里を抱き締め返し、絵里は何度も「ごめん!」と繰り返しながら、2人で抱き合って泣いたのだった。