恋する花束を君に
あの日から、由美子は会社に来なくなった。
どうやら、退職届を提出したらしい。
航太はというと、あれから強引で自分勝手な行動がだいぶ控えめになり、以前より優しくなった。
「本当に航太だよね?中身入れ替わった?」と冗談を言うと、「うるせーなぁ!俺は俺のままだよ!」と笑う航太。
そして、絵里との関係は、前と全く同じに戻ったとは言えなく、少しよそよそしさはあるが、普通に接するように心掛けた。
由美子の口から絵里も一緒にわたしのことを陰で言っていたのを知ってしまって、すぐに元の関係に戻るのは難しい。
あんなことがあって、元気を取り戻すのに時間はかかりそうだが、あの日、薗田さんが言ってくれた"その1%に俺はなりたいと思っています。"という言葉にわたしは救われていた。
それから、薗田さんが毎週土曜日にお茶をしようと、あの喫茶店"豆の木"に誘ってくれるようになった。
わたしがシフォンケーキを食べている姿を見ていると、幸せな気持ちになるらしい。
そんなことを言われると食べづらいのだが、それでもシフォンケーキは美味しく自然と笑みが溢れるのだった。
季節はもう冬に突入し、街はクリスマスの飾り付けでいっぱいになっていた。
そんなある日、わたしは絵里に「ちょっと話したいことがあるんだけど、、、。」と給湯室に呼び出された。