タイセツナモノ
2人は、私を挟んで歩いていた。さっきからうるさいなぁと思ったら、私を挟んで喧嘩をしていた。やめてほしい。
「だーかーら、俺は東大に行くんだ!」
「いや、お前の頭じゃ無理だろ。どう考えても。」
どうやら、大学の話をしているらしい。3年は大変だな。私は、苦笑いを浮かべため息をついた。冬馬─田島冬馬先輩と、拓也─荒川拓也先輩は小さい頃から一緒で小中高とどの学校も常に一緒でバスケも一緒だったそう。
だが、大学となるとやっぱり道は分かれるらしい。

「あの、」

私は、声を小さくだが絞り出した。

「…私を挟んで、喧嘩…しないで、ください…」

少し控えめに言ったら、2人は「ごめん!/ごめんね、桃花ちゃん!」とまた揃った。
謝ってくれるなら、いいけど。と思いながら空を見上げる。今日の空は、少しどんよりとしていて私の心を表しているようだった。

拓也先輩が、私と冬馬先輩の前に立ち「今日はもう遅いから、一緒に俺ん家で泊まらない?」と顔の前で手を合わせて言った。

「「?」」勿論、2人とも?状態だ。私はまだ遠いから、親に連絡すればいいけど…冬馬先輩となるとやっぱりこういうのは迷惑なんじゃないかと思う。
と、思っていたら冬馬先輩は軽く了承していた。意外だ。
「じゃ、決まりだな!」ニカッと笑い、拓也先輩は嬉しそうだった。それを見て、私もなんだか嬉しくなった。
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