孤高なパイロットはウブな偽り妻を溺愛攻略中~ニセ婚夫婦!?~
* * *
「真白……?」
肩に頭が当たってきたと思えば、長い髪がさらさらと流れ落ちていく。
体勢を整えて、崩れ落ちないように肩を貸した。
映画、いいところで寝落ちたのか。
真白に誘われて観始めた邦画。いつの間にか真剣に見入っていた。
観るのを楽しみにしていたなんて言っていた彼女の方が眠ってしまって、ついクスっと笑みがこぼれる。
こうしてとなりにいて眠りにつけるのは、少しは心を許してくれていると思っていいのだろうか。
顔にかかる髪をかき分けて、伏せられた長いまつ毛を見つめる。
夕食前、クリスマスの予定を聞き出すのに緊張した。
切り出すタイミングを窺って、あんな変な時に話題を出していた。
なにかしながらでないと余計に緊張しそうで、紛らわせるために食事の支度をしながら声をかけた。
クリスマスというだけで特別な日の予定を伺っていると意識したし、変に思われないか心配にもなった。
声の調子や顔にそんな気持ちが現れないように努めたけれど、もしかしたら挙動がおかしかったかもしれない。