孤高なパイロットはウブな偽り妻を溺愛攻略中~ニセ婚夫婦!?~


《こちら羽田管制室。天候回復が見込めましたので、予定通り着陸許可を出します》

「了解」


 上空を旋回していると、管制室から着陸可能の指示が出る。

 進路を戻し、再び着陸態勢を整える。

 一時は長期戦になると思われた事態も、問題解決によって定刻をほんの少しだけ遅れての到着となる程度だ。

 しかし、事態は一変する。

 視界が閃光したとほぼ同時、高度を落とし始めた機体に衝撃が走る。揺れの状況から、被雷したとすぐにわかった。


「……落ちましたね」


 となりで副操縦士が動揺した声を漏らす。


「着陸は見送る。高度を上げて、雷雲から離れる」


 管制室からの指示で着陸態勢に入ったものの、どうやら空はまだ着陸を許してはくれないようだ。

「わかりました」という副操縦士の返事を受けて、再び機内アナウンスを始める。


「お客様にご案内します。ただ今、当機は悪天候による被雷を受け、着陸を見合わせることとなりました。お客様にはたびたびのご迷惑をおかけしますこと、重ねてお詫び申し上げます──」

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