孤高なパイロットはウブな偽り妻を溺愛攻略中~ニセ婚夫婦!?~
「どこにいるか探してたら、ちょうど乗る飛行機の搭乗口で会うなんて」
しかし、二カ月ほど前からこうして空港でちょくちょく声をかけられるようになった。たまたま仕事の都合で利用しているだけだろうけれど、業務中にプライベートな調子で声をかけられることは非常に迷惑だ。
「ご利用ありがとうございます」
「なんだよ、そんな他人行儀な。そうだ、もし会えたらと思って……」
宮崎さんは突然荷物を漁り始める。嫌な予感がしてその場を立ち去ろうとすると、有名アパレルブランドのロゴの入った小さなショッパーを差し出した。
「真白に似合いそうなネックレスを見つけたからプレゼントしようと思って」
「困ります、業務中ですので」
丁重にお断りしても宮崎さんはお構いなし。「受け取って」とショッパーを押し出してくる。
「三森さん」
押し問答が始まりそうな私たちの様子を見かねてだろう。ゲートリーダーを務める先輩グランドスタッフが私に声をかけ近づいてきた。
「車椅子のお客様のご案内、お願いできる」
「あ、はい、わかりました!」
なんとかその場を離れることができ、逃げるように事前改札口に引っ込んだ。