孤高なパイロットはウブな偽り妻を溺愛攻略中~ニセ婚夫婦!?~
「お待たせ」
現れた高坂機長は、ブラックの薄手ニットにダークグレーのテーパードパンツという私服姿。身長があってスタイルがいいからモデルのような出で立ちだ。
「こんにちは」と頭を下げた。
「このまま上がろう」
自分が乗って来たエレベーターを開き、私に乗り込むよう促す。
「キーがないと自分の居住階に上がれないセキュリティになっている」
そう言って高坂機長が指定したのは二十七階。
目的の階数がとんでもなく高層階で上がることが躊躇われた。
嫌な予感はしたけど、やっぱりそうだよね……。
上昇する感覚だけでその場に座り込みたくなる。
幸いエレベーターはあっという間に目的階に着き、降りることができた。
居住階は共有廊下に絨毯が敷かれ、ホテルライクな雰囲気が漂う。
「この部屋だ」
高坂機長のあとに続いて向かった先は、フロアの最奥の部屋。
カードキーで認証し、黒い扉を開ける。
「わぁ……広い玄関」
白色の大理石の玄関は清潔感溢れる明るい印象。壁際には天井までのシューズ収納があり、シューズコレクターでも満足ができそうだ。
玄関を上がると、ダークブラウンの木調の床が続く。高坂機長の後に続いて入った奥のリビングの広さに入り口で思わず足が止められた。