孤高なパイロットはウブな偽り妻を溺愛攻略中~ニセ婚夫婦!?~
ここまで言ってみて、思いっきり的を外れたことを言っているとハッとする。
食事はするけど、だからなに?という感じだ。
夫婦ではないのに、余計なお節介を焼くのは迷惑。
そもそも、女性のそういうのが面倒くさいと思って結婚しているフリがしたかったのに、私がこれじゃ意味がないっていう話で……。
「それって、この間みたいに作ってくれたりするってこと?」
「あっ……ごめんなさい、余計な世話焼きですよね。今の発言は気にしないでくださ──」
「そうだったとしたら、俺はすごく嬉しいけど」
「えっ……?」
思わぬ反応が返ってきてとぼけたリアクションを取ってしまうと、遥さんは「あれ、違った?」とどこか悪戯な笑みを浮かべて私を覗き込んだ。
そんな意地悪な表情にも勝手に鼓動が跳ねる。
「ち、違わないです! ですが、本物の夫婦でもないただの同居人──」
そこまで言ったところで、それ以上は言うなと言わんばかりに口元を大きな手に覆われる。
遥さんが繋いでいる方とは反対の手で私の口を塞いだ。
「そういうことは外で言わない」
「す、すみません……」
遥さんの言う通り。誰がどこで聞いているかわからないのだ。まだまだ偽装結婚の自覚が足りない。
「そういうわけで、大歓迎ってこと。嫌でなければ俺も料理はする」
「料理できますか?」
「ああ、凝ったものは作れないけどな」