孤高なパイロットはウブな偽り妻を溺愛攻略中~ニセ婚夫婦!?~
結局、あのマンションで一緒に食事をしたのはあの初日だけ。
それ以降はおのおの自分のタイミングで食事をしている。
遥さんからは直近の勤務の知らせはもらうけれど、それに合わせて食事を作り置きしたらいいかもわからず、結局していない。
もし作っておいて、作り置きがありますと伝えて、それを消費しなくてはいけないだとか、負担になってしまったら申し訳ないと思ったからだ。
同じマンションで住み始めたものの、お互い仕事がある故なかなか生活スタイルは掴めない。
でも、あくまで関係は〝偽装結婚〟。食事をどうしようかとか、そういうのはお節介のような気もするし……。
「じゃあ、とりあえず二階だな」
目的のショップを絞り、フロアガイドを後にする。
平日とはいえ、昼下がりのショッピングモールは行き交う人も多く盛況している。
しっかりと手を繋ぐ遥さんは、誰かにバッタリ会った時のことも想定しているのだろう。
「あの、聞きそびれていたことがあって。聞くまでのことでもないかもしれないのですが……食事についてのことを」
「食事?」
「はい。一緒に住み始めてから十日ですが、遥さんは国際線フライトで家を空けられることもあるじゃないですか? でも、例えば今日みたいなオフだとか、帰宅される勤務の時は帰って食事をされるかな?って」