極愛〜狙われたら最後〜
「若! どうかフロはご勘弁を!」
そして親父である川口が俺の脚に纏わりつく。
「無理だな。お前も長くここにいるなら分かるだろ。諦めろ。今頃俺の妻は泣いているかもしれない。可哀想に」
そう言って親父を蹴り飛ばした。
「グァっ!」
「てめぇ、破門されてぇのか? どっちか選べ」
すると親父はぐっと歯を食いしばる。
「破門はご勘弁下さい」
そう言って堪忍したようにまた頭を下げ、娘を冷たい顔で見送った。
親子なんて脆いもんだ。
「なら死ぬ気でしのぎを上げろ。成果が見られなかったらお前も容赦しねぇぞ」
「肝に銘じます」
娘の泣き叫ぶ声を無視して俺はその場から立ち去った。
雫に気安く話しかけたのも罪。
俺の部屋を覗いていたのも罪。
舐められたもんだ。