極愛〜狙われたら最後〜
「言えよ」

グラグラと揺れる二人の瞳。

「どうして殺れないのか」

お前はもう、気付いたはずだ。

雫は俺の手から力一杯ナイフを抜き取り投げ捨てた。

「愛してるからよ! あなたを!」

その瞬間、俺は噛み付くようなキスをした。
やっと…やっと言った…

「んっ…はぁっ!」

息もつけないほど強く激しく。

「その言葉に嘘はないな?」

唇を離し僅かに開けた隙間から聞く。

「……ない」

そして観念するように認めた雫は俺をジッと見上げる。

そこには嘘などなかった。

するとおもむろに俺の手を取り自分の首に当て押し付けた。

「私を…このまま…締め殺してちょうだい」

そう言ってグッと俺の手を更に強く押し付ける雫の瞳からは涙が零れ落ちている。

この期に及んでそんな姿すら美しいと思った。

「早くっ…早くして…どうせ死ぬなら、このまま貴方に殺されたいっ…」

そう言って俺に訴える。
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