極愛〜狙われたら最後〜
「あったんだよ。それで、見事な仕事っぷりに興味が湧いたんだ。Sに」

ますますシワが深くなる。
こえー。

「それで、初めてその時Zに連絡したんだ」

「はぁ?」

「Sについて知りたいと」

雫は俺を貫くほどの眼差しで睨んだ。

「ねぇ。私を騙して楽しかった? こうして私の心を弄んで」

そう言って、俺からガバっと離れようとする雫を慌てて取り押さえる。

「最後まで聞いてくれ。頼む」

女に縋り付いたのは人生で初めてだ。
それでも逃したくない。

ギッと俺を睨むもとりあえず話しはきいてくれるようだ。

「それで、Zに教えてもらってお前の仕事を見に行った。その時に一目惚れしたんだ」

「で? 何でこんな手の込んだ事になってんの」

「そうでもしなきゃ、お前を手に入れられないと思ったから」

「何よそれ…。私ずっと…」

そして泣き出した。

「任務だと思って、俺に嫌々身を捧げてた?」
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