極愛〜狙われたら最後〜
「え? それ本当だったの?」

だんだんといつもの調子が戻ってきた雫。

「ああ」

「え、いつ? あのヒールが折れちゃった時?」

「……違う。もっと前」

「え!?」

これ、いざ言おうと思うとなかなか言いづらいな。

「ブチ切れられる覚悟で言うけど…」

「なに」

おお。
言う前からもうキレてんな。

「美人は睨むと迫力あるわ」

「龍臣。誤魔化さないで」

「お前が属してる組織あるだろ」

「うん」

「それな、うちの組の代々続く専属の組織なんだわ」

雫はそれは驚いた顔をする。
そしてたちまち眉間にシワを寄せた。

だよな…

「…それで?」

声がもうめっちゃ低いし、目が氷点下。

「俺も知らなかったんだよ。顔とかそういうのは」

まだ俺を睨んでいる。

「お前が前に、敵対する組を一人でやっつけた事あったの覚えてるか?」

「ありすぎてわかんない」

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