極愛〜狙われたら最後〜
あー。
なるほど。

今のは八神龍臣としてではなく、七瀬龍として振る舞ったのか…

じゃないと手を貸したりなんてしないものね。
周りにいた人たちもビジネスマンのようだった。

それにしても私を見て顔色ひとつ変えなかった。

この先に一抹の不安がよぎる。

こんな出だしであの男の懐に入る事などできるのだろうか?

まさかこんな所で会ってしまうなんて。

近くで見た彼は思わず息を飲む程の整った顔をしていた。

怖いくらい。

意志の強そうなストレートの眉に、シルバーフレームの眼鏡の下にはくっきりとした二重の大きな目をして、漆黒の瞳がギラっと光っていた。

涙袋があってミステリアスな雰囲気。

鼻筋が通った高い鼻はどこか知的で、薄めの綺麗な形をした唇は冷たそうだった。

シュッとした男性らしいフェイスラインに長い首。

そしてスマートなのにガッシリとした筋肉があの一瞬でスーツ越しから伝わってきて、細いウエストから下は長い脚がスッと伸びていた。
< 15 / 268 >

この作品をシェア

pagetop