極愛〜狙われたら最後〜
はぁ。

頭のどこかでもしかしたら迎えに来るかも? と思ったがやっぱりか。

「帰るよ。奥さん」

そう言って八神龍臣はここが自分の会社の前だというのに、こんなだっさい風貌の私にキスを落とした。

「ねぇ。あんたバカなの? こんなの社員に見られて困るのはあなたでしょ?」

「おお。なんだ? 俺の心配してくれてるのか。そりゃ嬉しいなぁ」

そしてやはり周りにはガチガチの護衛が付いていて、そんな中私は黒光りした外車に乗せられる。

「ねぇ。私目立ちたくないんだけどこの格好の時は」

「ん」

聞いてんの?

「ねぇ」

返事がない。

「ねぇってば」

無視だ。

なんだってのよ。

私はフンっと鼻から息を出し背もたれに寄りかかった。
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