極愛〜狙われたら最後〜


「雫さん」

すると助手席に座る男性から話しかけられる。

「はい」

「自分、若の側近の八神 将臣(やがみまさおみ)と申します」

八神?

「弟っす。27歳」

弟いたんだ。

そういえばどこか似てるかもしれない。
でも全然違うような。

「自分、母親違うんで」

なるほど。

「兄貴、名前呼んで欲しいんすよ」

は?
それで無視してたわけ?

隣の龍臣は聞こえているはずなのに肘をついて窓の外を見たまま黙っている。

その横顔がやっぱり惹きつけるような美しさで慌てて目をそらした。

そして私は思った。
逆にこの人の気を惹けば隙ができるはず。

そもそもその予定だったじゃない。
うっかり身バレした事で失念していた。




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