バツイチ美女と 御曹司

梅原は現金三千万とこのタワーマンションも
くれるといったけど、ここをもらっても
固定資産税すら払えそうにないし、
ここに住むつもりもないので、
現金だけ三千万ありがたくいただくと
いったらじゃあ五千万にするというので
そこまではいらないので三千万で十分と
いったら梅原にもマリらしいといわれた。

私ってそんなになんなの?馬鹿なのか?

優依に言ったら、ばかねと言われたから
やっぱり馬鹿なのねと思った。

でも、離婚後は一人暮らし用の小さな
マンションでも借りて住めばいいと
思っていたら、父が持っている目黒の
マンションが一部屋空いたから
リフォームまでしてくれて、
そこに住めるように手配してくれたので
住む所にもお金はかからず助かった。

本当に自分の幸運を神様に感謝した。

梅原からの慰謝料はマリが花屋を
開業するときに使えるようにとっておける。

四月の末に優依とホテルで梅原に偶然会い、
優依の主演女優賞ものの演技で
動き始めたマリの新しい人生。

離婚の成立そしてリフォームされた目黒の
マンションへの引越しも済んだ時
もう季節は初夏になっていた。

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