Star Shurine Gardian ―星の大地にある秘宝の守護者―

暗黒十字――幻魔の呪法①

 ミアプラは寝間着のまま、七星剣を持って屋外に出た。
 そんな――私、見捨てられたの!? 何で? 事故で亡くなったお母さんは、肉体が消滅する死に方だったって?
 頭の中が――いや、心の中がぐちゃぐちゃになっている。もういやだ、死にたい。この世から消えてしまいたい!
 自分の母親の生き様と最期――それが、醜いものだったと知り、ミアプラは自身の自己肯定感に深い傷を負ってしまったのだ。

 しばらく走り、兼貞の祠まで来た。月にはうっすらと雲がかかっている。
 はあ、私、何やっているんだろ。お父さんとはけんかしたまま死に別れちゃったし、仲間とは険悪な雰囲気だし……ミモザ、どうしたらいいの?
 そんなふうに考えている時、がさっと音がした。とっさに剣を構える。猛獣? 夜盗? しかしそこに現れたのは――。
「ガクルックス!? それにアクルックスも…」
「ミアプラ!?」
 間違いない、天牢庵を辞めた双子であった。彼らは例の黒い剣を持っている。
「な、何でここに!?」
「まあ、いいじゃないか。いろいろあってな」
 おそらく、人を襲って死体を吸収していたのだろう。ガクルックスはなめるようにミアプラを眺めた。
 ミアプラは今、長襦袢のような寝間着1枚であった。細く美しい脚があらわになっている。
「ミアプラ、俺のものにならねえか?」
 突然、ガクルックスが提案した。
「は?」
「フォマルハウトは死んだし、もう天牢庵は崩壊だ。俺の女になれば、悪いようにしねえぜ」
 何言っているの、こいつ?
「ふざけないでよ!!」
 ミアプラは一の秘剣・魚釣り星を繰り出した。が、それをガクルックスは黒い剣で難なくはじく。
「なっ!!」
「相変わらず技のきれがいいな。だが、この剣の持ち主には通用しねえぜ」
 ミアプラは四の秘剣・破れ十字も放ったが、剣が太くて折れない。ガクルックスは巻き付いた七星剣を、握っていたミアプラもろとも振り回した。
「きゃあっ!!」
 どさっと倒れたミアプラに、アクルックスが懐から何かを取り出して向けた。何? 黒い十字架?
 黒い光がミアプラを包み、その光が解けると、双子の動きが急に機敏になった。
「え!?」
 目で追っていたのに見えない。気が付くとガクルックスに押し倒されて両腕を押さえられていた。アクルックスには両足を拘束されている。
「な、何するのよ!!」
 気丈に抵抗するミアプラ。しかし、力が入らない。
「何って、かわいい女にすることは決まっているだろ」
 ミアプラの顔が青くなった。
「や、やめて…」
 先ほどまで強気だったミアプラは、2人の強大な腕力で押さえつけられ、長襦袢を強引にはぎ取られる。体が動かなくて何もできない。あらわになった二つの胸はガクルックスにわしづかみにされた。
「ひっ!」
「ミアプラ、俺…お前のこと好きだったんだ。こんなところでお前を犯すことができて幸せだよ」
「い、いやあ……」
 アクルックスが残っていたミアプラの下の下着を切り裂き、美しい両脚を全開にさせる。ガクルックスは下半身裸になり、ミアプラの上に乗ったかと思うと、ゆっくり犯し始めた。
「やっ…やめてえ!」
「ああ、ミアプラ、いいぜ、この感覚!!」
 ガクルックスが終わると、今度はアクルックスが乗ってきた。
「んああ!!」
「ああ、すごい、気持ちいいぜ! ああミアプラ、好きだ!!」
 アクルックスも終わると、男2人は醜い笑みを浮かべる。ミアプラはぐったりとしてしまった。
「さて…犯した後は殺す快感を味わいたいなあ。お前の体を切り刻んで食って、一つになりたいなあ!!」
「きゃああああ!!」
 ミアプラが悲鳴を上げた瞬間、左腕が切り飛ばされた。ガクルックスガコラプサーを振り上げ、ミアプラの左二の腕に振り下ろしたのだ。さらに右腕、両足、そして首が胴から切り離れて、血しぶきが噴水のように舞い上がった――。
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