Star Shurine Gardian ―星の大地にある秘宝の守護者―
悲しき真相
「デネボラ!?」
まさか…コラプサーがここまでひとりでに飛んできたというのか!? 首からは血がしたたり落ちて、彼女が羽織っているマントを赤く染めている。
「貴様、よくも……!!」
盗賊の1人がデネボラに向かって駆け出す。
「やめろ! お前が叶う相手じゃ……!!」
アルクトゥルスが叫んで制するが、遅かった。デネボラは魔剣を横一文字に払い、突進してきた男の胴を真っ二つにした。上半身は宙を舞い、近くの木にドン、と激突した。地面に落ちた遺体は、何が起こったのか分からないという表情だ。
「う、うわあああ!!」
残っていた盗賊たちは恐怖のあまり逃げ出した。が、デネボラは一足飛びに間合いを詰め、次々と体を切り裂いていった。腕や脚、首が血しぶきとともに宙を舞う。最後の1人は左手で首を捕まえ、胸のど真ん中に剣を突き刺した。
「ぐ…ううう」
デネボラは苦悶の表情をする男から自分の手を放した。胸には剣が刺さったままである。その男の両手を自分の胸のふくらみに当てて握らせ、男の脚を自分の股で挟んで前後に動かす。
「か……は……」
「どう? じわじわ死ぬ苦しみと、女の体を堪能する感覚は?…」
デネボラは男の口に唇を重ねる。が、男からは血の気がすでに引いていた。
「ふふふふ、死体とのキスも悪くないわ。よく見ると男前だし……」
ここまで色欲におぼれて猟奇的になってしまうなんて…早くコラプサーから離さなければ!
その男が倒れると、デネボラは再び魔剣を取り、アルクトゥルスの七星剣と切り結ぶ。ガキインという音が響くと、デネボラは恍惚とした表情になる。
「アルク…どうしたの? あなた、私と一緒になりたかったんじゃなかったの? どうして邪魔するの?」
「やめろ!!」
デネボラは紫微垣の連続攻撃にも難なく応戦している。もはや完全に狂気のとりこになってしまった。
「レグルスを倒さなければならないんだよ! やめるんだ、デネボラ!」
そんな応酬をしていたら、アルクトゥルスが足を滑らせて倒れた。まずい!
「アルク! また一緒に寝てあげるね!」
デネボラが剣を突きに構えて飛びかかろうとした時――アルクトゥルスの前で何かが立ちはだかり、守ってくれた。
「……レグルス!?」
恩師の腹には魔剣が突き刺さっている。なぜ!? あなたは敵だったのではなかったのか!?
「……っ!!」
デネボラは剣を引き抜きながら後ろに飛び下がった。
「…デネボラ…まだ、色欲に勝てないのか…」
レグルスの腹から血がしたたり落ちる。
「あなたこそ! まだ私を邪魔するの!?」
ど、どういうことだ? レグルスはデネボラを虐待して、それで心が病んでいた時にコラプサーを持って逃走したんじゃなかったのか!?
レグルスは膝をついてうずくまった。
「…アルク、彼女から話を聞いただろうが…全部嘘だ。僕は彼女を虐待していない…」
「え!?」
腹を抑えながらあえぐレグルス。
「だ、大丈夫ですか、レグルス!」
「か…は…もう、時間がない。聞け。僕は西の村で…塾を作った。順調だったが…忙しくなって彼女との時間が…なくなった」
血が流れているのに話し続けるレグルス。
「それで…すねた彼女はコラプサーを…抜いた。そして、当てつけのように…他の男と関係を持って…」
ついに座るのも難しくなり、腕をついた。じゃあ、デネボラから聞いた話は、彼女のでっち上げだったってことか?
「子供たちと一緒に…ポラリスを狙おうとしたのは…世間に子供の悲惨…さを訴える…ため…盗むつもりはないし、盗んでも返すつもりだった…」
「レグルス、もうしゃべらないでください!」
天漢癒の腕輪を取り出して当てる。が、回復しない。致命傷に至ってしまっている。
「君と戦えば…子供たちも世の厳しさを知るだろうし…大人たちも理不尽な社会を…変えようと思うだろう…と…償いは僕の首を差し出すつもりだった…」
ということは、最初からこの戦いが終わったら死ぬつもりだったのか!?
「アルク、僕の首を持っていけ。そうすれば…盗賊団は解散する」
それきり、レグルスは動かなくなった。
まさか…コラプサーがここまでひとりでに飛んできたというのか!? 首からは血がしたたり落ちて、彼女が羽織っているマントを赤く染めている。
「貴様、よくも……!!」
盗賊の1人がデネボラに向かって駆け出す。
「やめろ! お前が叶う相手じゃ……!!」
アルクトゥルスが叫んで制するが、遅かった。デネボラは魔剣を横一文字に払い、突進してきた男の胴を真っ二つにした。上半身は宙を舞い、近くの木にドン、と激突した。地面に落ちた遺体は、何が起こったのか分からないという表情だ。
「う、うわあああ!!」
残っていた盗賊たちは恐怖のあまり逃げ出した。が、デネボラは一足飛びに間合いを詰め、次々と体を切り裂いていった。腕や脚、首が血しぶきとともに宙を舞う。最後の1人は左手で首を捕まえ、胸のど真ん中に剣を突き刺した。
「ぐ…ううう」
デネボラは苦悶の表情をする男から自分の手を放した。胸には剣が刺さったままである。その男の両手を自分の胸のふくらみに当てて握らせ、男の脚を自分の股で挟んで前後に動かす。
「か……は……」
「どう? じわじわ死ぬ苦しみと、女の体を堪能する感覚は?…」
デネボラは男の口に唇を重ねる。が、男からは血の気がすでに引いていた。
「ふふふふ、死体とのキスも悪くないわ。よく見ると男前だし……」
ここまで色欲におぼれて猟奇的になってしまうなんて…早くコラプサーから離さなければ!
その男が倒れると、デネボラは再び魔剣を取り、アルクトゥルスの七星剣と切り結ぶ。ガキインという音が響くと、デネボラは恍惚とした表情になる。
「アルク…どうしたの? あなた、私と一緒になりたかったんじゃなかったの? どうして邪魔するの?」
「やめろ!!」
デネボラは紫微垣の連続攻撃にも難なく応戦している。もはや完全に狂気のとりこになってしまった。
「レグルスを倒さなければならないんだよ! やめるんだ、デネボラ!」
そんな応酬をしていたら、アルクトゥルスが足を滑らせて倒れた。まずい!
「アルク! また一緒に寝てあげるね!」
デネボラが剣を突きに構えて飛びかかろうとした時――アルクトゥルスの前で何かが立ちはだかり、守ってくれた。
「……レグルス!?」
恩師の腹には魔剣が突き刺さっている。なぜ!? あなたは敵だったのではなかったのか!?
「……っ!!」
デネボラは剣を引き抜きながら後ろに飛び下がった。
「…デネボラ…まだ、色欲に勝てないのか…」
レグルスの腹から血がしたたり落ちる。
「あなたこそ! まだ私を邪魔するの!?」
ど、どういうことだ? レグルスはデネボラを虐待して、それで心が病んでいた時にコラプサーを持って逃走したんじゃなかったのか!?
レグルスは膝をついてうずくまった。
「…アルク、彼女から話を聞いただろうが…全部嘘だ。僕は彼女を虐待していない…」
「え!?」
腹を抑えながらあえぐレグルス。
「だ、大丈夫ですか、レグルス!」
「か…は…もう、時間がない。聞け。僕は西の村で…塾を作った。順調だったが…忙しくなって彼女との時間が…なくなった」
血が流れているのに話し続けるレグルス。
「それで…すねた彼女はコラプサーを…抜いた。そして、当てつけのように…他の男と関係を持って…」
ついに座るのも難しくなり、腕をついた。じゃあ、デネボラから聞いた話は、彼女のでっち上げだったってことか?
「子供たちと一緒に…ポラリスを狙おうとしたのは…世間に子供の悲惨…さを訴える…ため…盗むつもりはないし、盗んでも返すつもりだった…」
「レグルス、もうしゃべらないでください!」
天漢癒の腕輪を取り出して当てる。が、回復しない。致命傷に至ってしまっている。
「君と戦えば…子供たちも世の厳しさを知るだろうし…大人たちも理不尽な社会を…変えようと思うだろう…と…償いは僕の首を差し出すつもりだった…」
ということは、最初からこの戦いが終わったら死ぬつもりだったのか!?
「アルク、僕の首を持っていけ。そうすれば…盗賊団は解散する」
それきり、レグルスは動かなくなった。