Star Shurine Gardian ―星の大地にある秘宝の守護者―
秘剣発動
「ベナー!!」
アルコルは高台から一気に浜辺に降り立った。
「アルコル……ぷはっ、助けてええ!!」
もがいて助けを求めるベナ。どうしよう……けっこう近い距離にいるのに何もできない、このままじゃベナは溺れ死んでしまう!
《秘剣だ……》
啓示が来た。
「秘剣!?」
《秘剣を使え、七星剣を振るうのだ》
「で、でもどうやって……」
アルコルはしどろもどろしていたが、直後にはっきりと声を聞いた。
《我の示すとおりに振るえ!!!》
ハッとして、アルコルは目を瞑った。常識で考えていたらだめだ、神の声に耳を傾けるんだ――脳裏に、夜空のさそり座と、七星剣が鞭状に変形する様子が重なった。
「秘剣…魚釣り星!!!」
アルコルが七星剣を下から上へ振ると、剣が光りながら鞭状に変形した。さらに、しなりながら飛んでいく剣先は海水を切り裂いた。バッシャアンというしぶきとともに、ベナの周りの海水が弾け飛ぶ。
《もう一度振るえ!》
アルコルは再び秘剣・魚釣り星を放った。ベナの体に七星剣が巻き付いたのを視認すると、
《引け!》
という啓示と共に、渾身の力で引っ張った。すると、ベナは宙を舞いながら浜辺に飛んでくる。
《力を調整しろ!》
啓示のとおりにすると、こちらに飛んでくる勢いが弱くなった。
《剣を放り、彼女を受け止めろ!》
アルコルは七星剣を放り投げ、ベナが浜辺に落下する寸前に体で受け止めた。ドンッという激しい音がしたが、何とか受け止めた。
「ベナ! ベナ!! 大丈夫!? しっかりして!!」
アルコルがベナの肩をつかんだ。
「アルコル……うわああん、怖かったよおお!!」
水着がはだけ、胸があらわになったのもはばからず、アルコルに抱きつくベナ。よかった、なんとか助けられた――。
津波は間もなく引いた。定期船もすぐに再開するようだ。津波の時にいたのは例の女の子たちとミザル、アルコルだけだったので、アルコルの秘技を見たのは彼らだけだった。結果的に人的被害もなかった。
「そうだったの……」
彼女らは、アルコルとミザルから聞いた話を受け入れた。にわかには信じがたかったが、目の前で秘剣を見せられ、信じざるをえなくなったのだ。
「それにしても、ベナ……」
「何?」
「あなた、アルコル君にくっつきすぎじゃない?」
助けられてからというもの、ベナはずっとアルコルに腕を絡ませている。それも体が完全に密着する体勢で……。
「私の命の恩人だもん。アルコルには身も心も捧げて一生かけて尽くすのが、私の女子としての仁義よ」
女子の仁義って…初めて聞いたなと、ミザルと他の女の子は思った。
「ところで、目的は達成できたと思うけど、次はどうするの?」
女の子の1人が聞いてくる。
「分からない。アルコルに啓示がくだってくるのを待つしかないからな」
すると、アルコルが右手で頭を抑えた。
「アルコル、どうしたの? 頭が痛いの?」
心配そうにたずねるベナ。するとアルコルは
「聞こえる…」
「啓示のようだ。何て言っている?」
アルコルは、聞こえた言葉をそのまま伝えた。
《東の都に戻り、次の準備をせよ》
アルコルは高台から一気に浜辺に降り立った。
「アルコル……ぷはっ、助けてええ!!」
もがいて助けを求めるベナ。どうしよう……けっこう近い距離にいるのに何もできない、このままじゃベナは溺れ死んでしまう!
《秘剣だ……》
啓示が来た。
「秘剣!?」
《秘剣を使え、七星剣を振るうのだ》
「で、でもどうやって……」
アルコルはしどろもどろしていたが、直後にはっきりと声を聞いた。
《我の示すとおりに振るえ!!!》
ハッとして、アルコルは目を瞑った。常識で考えていたらだめだ、神の声に耳を傾けるんだ――脳裏に、夜空のさそり座と、七星剣が鞭状に変形する様子が重なった。
「秘剣…魚釣り星!!!」
アルコルが七星剣を下から上へ振ると、剣が光りながら鞭状に変形した。さらに、しなりながら飛んでいく剣先は海水を切り裂いた。バッシャアンというしぶきとともに、ベナの周りの海水が弾け飛ぶ。
《もう一度振るえ!》
アルコルは再び秘剣・魚釣り星を放った。ベナの体に七星剣が巻き付いたのを視認すると、
《引け!》
という啓示と共に、渾身の力で引っ張った。すると、ベナは宙を舞いながら浜辺に飛んでくる。
《力を調整しろ!》
啓示のとおりにすると、こちらに飛んでくる勢いが弱くなった。
《剣を放り、彼女を受け止めろ!》
アルコルは七星剣を放り投げ、ベナが浜辺に落下する寸前に体で受け止めた。ドンッという激しい音がしたが、何とか受け止めた。
「ベナ! ベナ!! 大丈夫!? しっかりして!!」
アルコルがベナの肩をつかんだ。
「アルコル……うわああん、怖かったよおお!!」
水着がはだけ、胸があらわになったのもはばからず、アルコルに抱きつくベナ。よかった、なんとか助けられた――。
津波は間もなく引いた。定期船もすぐに再開するようだ。津波の時にいたのは例の女の子たちとミザル、アルコルだけだったので、アルコルの秘技を見たのは彼らだけだった。結果的に人的被害もなかった。
「そうだったの……」
彼女らは、アルコルとミザルから聞いた話を受け入れた。にわかには信じがたかったが、目の前で秘剣を見せられ、信じざるをえなくなったのだ。
「それにしても、ベナ……」
「何?」
「あなた、アルコル君にくっつきすぎじゃない?」
助けられてからというもの、ベナはずっとアルコルに腕を絡ませている。それも体が完全に密着する体勢で……。
「私の命の恩人だもん。アルコルには身も心も捧げて一生かけて尽くすのが、私の女子としての仁義よ」
女子の仁義って…初めて聞いたなと、ミザルと他の女の子は思った。
「ところで、目的は達成できたと思うけど、次はどうするの?」
女の子の1人が聞いてくる。
「分からない。アルコルに啓示がくだってくるのを待つしかないからな」
すると、アルコルが右手で頭を抑えた。
「アルコル、どうしたの? 頭が痛いの?」
心配そうにたずねるベナ。するとアルコルは
「聞こえる…」
「啓示のようだ。何て言っている?」
アルコルは、聞こえた言葉をそのまま伝えた。
《東の都に戻り、次の準備をせよ》