蒼い空の下で愛を誓う〜飛行機を降りたパイロットはただ君を好きなだけの男〜
「ごめんな、夕飯作ってくれてたのに……えっと、ごめん」

「ううん。私も瑛人さんが帰ってきたって実感したかったから」

言っておいて恥ずかしくなったのかまた俺の胸に顔を埋める悠里は本当に可愛い。頭を撫でるとチュッとキスを落とした。

「夕飯食べてもいい?」

「もちろん」

そう言うとベッドの下に俺が落とした服を着ようとするが、俺はサッと自分のTシャツを頭から被せてやった。俺のものだと誰に見せるわけでもないのに独占欲を示したくなってしまった。
彼女は驚いたような表情のあと、少しはにかむような笑みを浮かべ、キッチンに行ってしまった。
俺がシャワーを浴びた頃には料理が温め直されテーブルに並べられていた。
こんな優しい日常がこれから先も続いていくと思うと幸せすぎて胸が熱くなった。

翌日無事に引っ越しを済ませ入籍をした。
悠里の両親と結城に保証人を頼むと喜んでサインをしてくれた。
まさか、とは思ったが昨日機内でコンタクトをとっていた整備士は鷺宮さんだった。

「あの状況で本当に冷静だった。何度も繰り返しのチェックで反応がなかったから焦っても仕方ない状況でも機長も桐生くんも本当に落ち着いていたな。胴体着陸を決めた時には身震いするくらいの潔さだった」

「ありがとうございました。でも鷺宮さんの声に安心させられました。落ち着いてチェックしていく様子はプロ中のプロって感じがして私たちは落ち着いて対処できたんです」

「それにしてもあのアナウンスはなぁ。君らしくなくてみんな驚かされていたよ。そのくらい君は周囲にギャップを与えたようだよ」

ははは、と笑っているのを見て顔が熱くなった。横で悠里は訳がわからないと俺を見上げてくるが、説明するのは難しく、黙るしかなかった。そんな様子を見てますます鷺宮さんは笑っていた。
結城にもサインをもらうため会うが、それこそ彼も俺のアナウンスについて聞いたのだろう。何か言いたそうだったが、俺は遮り、さっさとサインをさせると席を立った。

「悪い。急ぐからまた」

悠里の手を引き、俺はカフェをあとにした。
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