蒼い空の下で愛を誓う〜飛行機を降りたパイロットはただ君を好きなだけの男〜
「じゃーん、婚活パーティーへようこそ」

「え？」

「婚活パーティーだよ。私たちもそろそろ考えないといけないと思うんだよね。でも一人で来るのは不安でしょ。先に悠里に話したら絶対について来てもらえないと思って」

いくら小春のお願いと言われても、事前に相談されていたら絶対に来なかったと断言できる。私は仕事が楽しいし、いま恋愛をしたいかと言われるとそうでもない。数年前に付き合っていた彼には不規則な勤務を理解してもらえず別れてしまった。私なりに努力はしていたが週末が休みとは限らず早朝や深夜勤務の私に彼は、付き合っている意味がないと別れを告げられてしまった。それからはどこか恋愛に対して前向きになれなくなってしまった。あの時だって彼の時間に合わせるよう睡眠を削ったり、彼のために料理をしたり頑張ってきた。それでもそんな努力は認めてもらえず、なんだか疲れ果ててしまったのだ。

「私、婚活とか考えてないよ」

「分かってるよ。でもさ、もしかしたらいい人がいるかもしれないでしょ？　気楽に美味しい食事をしにきたくらいのつもりで悠里はいたらいいよ」

真剣に参加している人がいる中で私が参加していていいのかと思うが、もう乗船してしまったのでこのクルージングが終わるまではどうにもならない。私は諦め、ウェイターからグラスを受け取る。そんな姿に満足したのか小春もグラスを受け取ると二人でホールへと進んだ。
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