蒼い空の下で愛を誓う〜飛行機を降りたパイロットはただ君を好きなだけの男〜
「このシフトだと次は15日とかどうだ? お互い17時までだろ?」

話しながらも自分のシフトと私のシフトを見比べていた彼はお互いの都合のつきそうなところを探していたようだ。

「大丈夫ですけど……」

どうしてこんなに彼が私と日にちを合わせてくれようとしているのか、内心では分かっていても素直に受け入れられない。どうしてもこんな完璧な彼が私を好きになってくれているなんて信じられなかった。

「よし。なら決まりだな。せっかくだからスペイン料理か?」

スペインの話が出たからか、笑いながらそう言う彼の顔は普段からは想像もつかないほど柔らかいものだ。空港で見かけると表情は引き締まり、どちらかと言うと孤高の存在のような感じ。けれど、私の知る彼は違う。知れば知るほどに彼に惹かれる。惹かれずにはいられないと思わされる。

「好き」

「え?」

思わず出てしまった言葉に自分自身が1番驚いた。そして驚いた表情の彼を前に、慌てて言葉を探した。

「スペイン料理美味しいですよね。大好きです」

「あ、あぁ……。俺も海鮮が好きだから割と何を食べてもスペイン料理は美味しいと思うよ。セビーチェやスペインオムレツ、アヒージョなんかは向こうで必ず食べたくなる」

「そ、そうですよね。ガーリックが効いてて美味しいですよね」

なんとか誤魔化せただろうか。彼を目の前に思わず出てしまった心の声に顔が火照ってしまう。パタパタと手で顔を仰ぐと不思議そうに見られてしまう。

「なんだか今日は熱いですね」

「そうか?」

外は寒くなってくる時期に暑いだなんておかしいのは分かってる。でもお願い、誤魔化されて。
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