蒼い空の下で愛を誓う〜飛行機を降りたパイロットはただ君を好きなだけの男〜
翌日。
出勤すると今日は国内線の予定だったが、国際線へのカウンターのヘルプに呼ばれた。
アジア圏への出発カウンターだが、今日は団体のお客様が入っておりいつもよりなんだから賑やかだ。

「鷺宮さん、よろしくね」

「はい、よろしくお願いします」

同じ会社とはいえ、今日はヘルプで入っており少し緊張する。
パスポートとチケットの確認をして荷物を預かるが隣のカウンターでチケットが見つからないと探しているお客様の声が聞こえてきた。老夫婦は手荷物の中を掻き回すように探している。だが、隣のカウンターの子はチケットが見つからないのは分かっているようだが、言葉が通じずに対応にオロオロしていた。中国語といっても場所によって話すイントネーションも違えば、ちょっとしたニュアンスも変わってくる。気になってチラチラ見ていると向こうもこちらを見てきた。私が頷くと、彼女はホッとしたような表情を浮かべ、私とカウンターを交代した。お客様に聞くとネットで取ったチケットで、印刷したプリントをホテルに忘れてきたと話していた。ネットでの予約であれば予約画面で確認すれば問題ないとお伝えし、スマホを見せてもらうようにお願いすると画面を開いて見せてくれる。これで予約番号も名前も確認ができた。夫妻にはチケットは念のためのプリントアウトで、この画面さえ見れれば問題ないことをお伝えした。けれど老夫妻にとってはチケットがあるのが当たり前だと思っており、不安が強いようで私の方で発券すると何度も感謝の言葉を口にされていた。パスポートを確認し、スーツケースを預かると何度もお礼を口にされるとセキュリティチェックへと進んで行った。
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