蒼い空の下で愛を誓う〜飛行機を降りたパイロットはただ君を好きなだけの男〜
機内へとお客様の案内が終わり、飛行機を振り返るとコックピットにいる結城さんと目が合った。彼は軽く手を上げてきたので私もつい、手を挙げてしまった。

「ほらぁ、やっぱりそうなんですね」

この様子を後ろで見ていた未来ちゃんに言われハッとした。

「たまたま手を挙げられたから返しただけでしょ。こんなの挨拶だよ」

そういうと私はカウンターの中を片付け、人がいなくなったベンチに忘れ物がないかチェックをしに周り始めた。フレンドリーな結城さんの雰囲気につい私も手を振ってしまったが、それを見ていた人たちに勘繰られるのは本望ではない。この職場で穏便に過ごしたいのに……。桐生さんに話しかけられた時にもそう思ったのにあの結城さんの雰囲気に流されてしまったと反省した。でも結城さんってみんなにこんな感じなんじゃないのかなとふと思ったが、この話はもう未来ちゃんとでもしたいとは思えず触れないままにした。またあの時のように色々な人に見定められるような視線も、周囲からの質問責めにもあいたくない。今は仕事のことだけを考えていたい。
でも……、もしこれが桐生さんだったらと思うと何だか知らないうちに胸の奥が暖かくなるような気持ちになった。
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