蒼い空の下で愛を誓う〜飛行機を降りたパイロットはただ君を好きなだけの男〜
この日だけで、私はまた翌日からシフトに戻り今月担当の国内線中心になった。あれから結城さんに会うこともなく、何もなかったように毎日を過ごしていた。
桐生さんからのメッセージは相変わらず時々届いており、昨日はスペインの景色が送られてきて感動した。テレビで見るようなところばかりでなく、街並みだったり石畳だったり、部屋からの眺めだったりと彼が見たままのスペインだった。あまり写真を撮ったりしないと話していたのに私に送るために撮ってくれたのかと思うと気持ちが弾む。彼の見た景色を共有させてもらい、まるで一緒に回っているような気持ちになってしまう。

【君に見せたい景色が多くて写真に収まりきらない】

そんなメッセージが届き、私の気持ちはますます高まる。桐生さんに会いたい。

【写真をたくさんありがとうございます。土産話を楽しみにしていますね。気をつけて帰ってきてくださいね】

そう返信すると、彼からすぐにまた返信がきた。

【ありがとう。早く悠里ちゃんに会いたいよ】

私が会いたいと思っていたけど言えなかった言葉が帰ってきてびっくりした。私は言葉に出さないなんて少し駆け引きのようでずるいのではないかと思うが、勇気が出ない。でもいつまでも彼の気持ちに頼るような関係でいたくない。

【私も】

そう返信した。本当はこの短い言葉を入れるだけでも何分かかったかわからないくらいの時間を要した。既読がついたのにあの言葉への返信が来ないことで桐生さんはなんて思っただろう。そう思うと短くても私の気持ちを少しだけでも伝えたいと勇気を振り絞った。
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