蒼い空の下で愛を誓う〜飛行機を降りたパイロットはただ君を好きなだけの男〜
予定通り彼とショッピングに出るが、それでも気持ちが晴れない。彼の隣にいるのが私だなんてがっかりされているのだろう。
パイロットという職業でなくても彼は魅力的な人だ。Tシャツに短パンを履いただけの姿なのにまるでモデルのような立ち姿だ。いつもかけているサングラスさえ彼の引き立て役になっている。つい彼の一歩後ろに下がり、歩いてしまうと彼は振り返る。

「悠里? 疲れた?」

私は顔を横に振る。

「そこのカフェに入らないか?」

見ると目の前のビーチサイドにカラフルな可愛らしい建物が見えた。彼のイメージではないが、私の手を引くと店員に声をかけた。

「Can I sit on the beach?」

「sure」

彼は目立つテラス席へ私の手を引き連れて行く。そして向かい合わせに座るのではなく隣にピッタリとくっつくように座ってきた。不思議に思っているとトロピカルジュースをふたつ注文し終えるとすぐに指を絡ませてきた。

「俺はさ、悠里と堂々と付き合いたい。職場で嫌な思いをするかもしれないからと思って黙っているが、プライベートでは関係ない。俺が悠里を選んだんだ」

きっとさっきの周囲からの視線に私が傷ついていると思ったのだろう。もちろんそれもある。でもそれ以上に私は自分に自信がないのだと思った。彼に隠されるようにされるような女なのだ。でもそんなことを正直にいうなんて情けなさすぎる。彼にいくら自信をもらっても周囲からの目は私を彼女だと認めないだろう。職場でだってそう。私が隣にいることを認めてくれる人なんていないだろう。そのくらい彼と私とは違いすぎるのだ。どんなに私が彼を好きでも隣に居続けるのは辛い。私は俯いていると涙がこぼれ落ちてしまった。

「なぁ悠里。俺と君ってそんなに違う? 俺はただ悠里が好きなだけ。俺がこんなに言っても悠里は俺の言葉ではなくて周囲の目ばかり気にしているんだな。俺にとって悠里は特別だよ」

「私だって瑛人さんが好き。でも……」

「どうしたら自信が持てるんだ? 俺はもう悠里に決めてるよ」

そうだ。彼はそんなに不安なら私と結婚したっていいとまで言ってくれていた。そこまで本気でいてくれるのにいつも私は不安ばかりを口にしている。
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