狂気のお姫様
「付き合ったのは中3の夏くらいから」
「へぇ」
「興味ないインタビュアーだな」
「なんで?好きなの?」
「恋バナの仕方小学生かよ」
「一周まわってレベルの高いインタビューだからこれは」
「まじで黙ってほしい」
つれない小田だな。テスト0点かもしれないのに。
「あー、でも、あの人たちに言ったの失敗かもしれない」
「なんで?まぁなんとなく分かるけど」
「嫌な予感がする」
「当たるよそれ」
「やめろ」
あの男たちと関わって、穏やかに過ごせると思う方がアホなのだ。諦めろ。
「東堂だって…」
「?」
「いや、やめとこう怖いから」
「なんだよ」
「命が惜しいわ」
「何がだよ」
何を訳の分からないことを言ってるんだコイツは。
「とにかく、私はパフェを食べる。ゴツいやつを食べる」
「おー、その意気だ。デブまっしぐら」
「難しいことを考えるのはやめだ」
「そうだな。まだ0点か分からないもんな」
「あぁテスト…」
「すぐ落ち込む」
「忘れてたのに…東堂め…」
恨めしそうにこっちを睨む小田は毛ほども怖くないし、むしろ面白い。まぁ、何気に頑張ってたし抹茶ラテ1杯くらいはおごってやらんでもないかな。
と思っていたら、
ヒヤリ…
いきなり背中に悪寒が走る。
「…?どうした東堂」
「いや?」
「絶対『いや?』って言えるような顔じゃなかったぞ」
「んー。バレたかな、と思って」
「え、なにが…」
「とりあえず急ぐぞ小田」
「え、どういうこと」
「今日は偵察ぐらいで済ますはずだ」
「なんとなく話が読めてきて逆に怖いんだけど」
「気にせずパフェ食うぞ」
「気になるわ!!!!」
さすがストーカー。気配を隠すのはうまいな。ていうかそもそも生きてるかそうでないかも怪しい存在だと私は思ってるので、気配があるのが逆に怖いところだ。
「なんで分かったの。どこにいるの」
「後ろの方だよだいぶ」
「今から律ちゃんって呼んだほうがいいよね」
「おいおいおいおいまじで私を犠牲にしようとしてるな」
まぁ今日は手は出さないだろう。だって本当に私が『小田律』かどうかは分からないもんな。
しかしだ、何故気づいた?
いや、探るだろうとは思ってはいたが、私が『小田律』だと決めつけたのは一体なんだろう。
まぁ、城ヶ崎《じょうがさき》校生に聞けば分かるかもしれないが、相手はあの鳴さんだ。いろんな女子の仲良くしてるので、私だと断定するのは無理だろう。
チラリと脳裏をよぎるのは、あの女。
いやまさか。
でも有り得なくもない。
となればまた厄介。というか面倒くさい。
「ま、パフェでも食べて作戦を練るか」
「神経図太い」
お前にだけは言われたくない。