狂気のお姫様

第3節 感情の落としどころ

一応、今日それっぽい女にあとをつけられました、と連絡をした。

さすがに用心をして小田を先に帰らせたのだが、帰り際に、

「明日ニュースになるかもしれないから東堂を目に焼き付けておくわ!」

とバシャバシャ私を携帯で連写する小田にアイアンクローをかましておいた。

あいつはまじで薄情でアホだと思う。もはや後世に受け継がれるレベルだ。


家がバレるのは癪なので適当に撒いて帰ったが、もしかしてこれ毎日続くわけじゃないよな。だったら早く決着をつけたいものだけど…。というかあの金髪が決着をつけてくれれば万事解決なんだけどな。





そしてだ。

「まじで怖い」

「なんでまたここに集合してるのかが謎なんですけど」

「今日さ、ぽいの校内で見たかもしれないんだけど」

「いや怖」

「でしょ!」

また本日も呼び出され、2人草むらにしゃがみこんで密会中。

「で、なんでまた私が呼び出されてるんですか」

「守護神じゃん」

「言い方」


誰が守護神だ。守護神だとしてもあんたを守るのは嫌だわ。身体がいくつあっても足りない。


「ていうかぽいの見たんだったら今の状況やばいじゃないですか」

「見られてるかもね」

「え、まじでなんで呼び出したんですか」

「ん?」

「確信犯!!」


わざと対峙させるためじゃん絶対!!『ん?』じゃない。可愛く言ったって無駄だこのクソ金髪が。

まぁでも今のところ誰かに見られている感じはしないし、一応広い学校なので鳴さんを探すのを手間取っているのかもしれない。


「まったく…」

「?」

「まだ試作品ですけど…しょうがないのであげます」

「なにこれ?」


小さな霧吹き状の小瓶を鳴さんに渡すと、案の定頭の上にはハテナのマーク。


「別のことで使おうと思ってたんですけど、鳴さんがあのストーカーに手が出せないって言ってたので、もし遭遇した時に撃退できるように」

「毒?なんかすっごい赤いんだけど」

「唐辛子です。まぁ、世界の中でも辛い部類に入るので毒っていうのもあながち間違いではないけど」


そう、私が作っていた武器とは、唐辛子スプレー。通販で辛い唐辛子をお取り寄せし、せっせと改良に改良を重ね作り上げたのだ。

だけど試せる人がいなかったので、その威力は計り知れない。

ヒクッと頬が引き攣る鳴さんは「これ、人死なないよね?」とたじろいでいるが、それはちょっと断言はできない。


「死にたいと思えるくらいには苦しむかも…?」

「鬼畜」

「どうも」

「褒めてないけどね」


なんだよ。感謝してほしいよまったく。小田にあげようと思ってただけで、他の人にあげる気なかったんだからさ。

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