狂気のお姫様
「ヴッ…ご、ごへんはさ…」
「ごめーん。何言ってるか分かんないから第二弾いっとくー?」
「やめっ…イ゙ッ!!!」
女は頭でも割れたのか、おでこから血が流れている。
それを見ても笑いが込み上げてくるんだから、この狂気はどうすることもできない。
「あっ、そうだ。せっかくのトイレなんだから水を使わないと」
思い出した、というように手をポンッと叩くと、ぐちゃぐちゃの顔の女が顔を青くしながら私を見上げる。
「やめ!やだ!!やめで!!」
女の髪を掴んだまま、洗面台まで引き摺り、蛇口を全開にしてそのまま頭を突っ込んだ。
「ガッ!!やっ…死ぬっ…!!ガフッ!!」
「だねー」
溺れて苦しいのか、手足をバタバタさせるが、力では私には敵わない。
1回ザバッと顔を持ち上げると、女は醜く酸素を目一杯吸い込んだ。
「ゲフッ!!ヒュ-…ぁっ…」
「パクパクして、魚みたーい」
もう一度吸い込もうとしたところで、また頭を突っ込んだ。
「ガフッ!!!ブクブクブク!!!」
「あはははは」
本当に殺したりはしないよ。ただ、私の気が済むまでやり返さないと、これじゃ浸水した靴が浮かばれないのでね。
「うわぁぁあ!!!!」
「あ、忘れてた」
いきなり飛んできたこぶしをひょいっと避け、そういえばまだこいつ殺りきってなかったな、と回し蹴りをお見舞いする。
そう、便器に倒れ込んだ2人目だ。
「ちょっとちょっと、その汚い体で襲ってこないでよ」
1人目の女は、私が手を離した隙に酸素を貪り吸っていて、座り込んで水を吐き出す。
「はぁっ、はぁっ、殺してやる!!!」
襲ってきた女は、目が血走っていてなんだか今にも爆発しそう。
「あっそう」
そんな現実にもできない言葉、よくも口にできるものだな。殺してやると言われたところで、なんとも思わない。あぁ、逆にやってやろうとは思うけど。
「うわぁぁあ!!!!」
「それしかできないの?」
殴りかかってきた女の腕を掴み、
ボキィッ
本来とは違う方向に曲げると、
「ぃぎゃぁぁあ!!!」
途轍もない叫び声と共に、床を転げ回る女。
「うるさい」
バキッ
そのまま顔を蹴ると、ピクリとも動かなくなった。
「え…ふ、2人とも…」
さすがにもう私には手も足も出ないということが分かったのか、はたまた逆方向に曲がった友人の腕を見たせいか、女の顔は絶望一色。
そういう顔を見る時が1番楽しい。
「く、狂ってる…」
「褒め言葉をありがとう」
ただ、もう飽きたんだよね。
「やめっで!!」
ガンッ
女の頭を掴みあげ、洗面台に打ち付ける、と、
女は案の定を気絶した。
が、
「嘘でしょ…」
プシャ-----…
蛇口が壊れて、頭から水をかぶってしまった。