狂気のお姫様
「律ちゃん握力ゴジラじゃね?」


ゴリラを大幅に越してきたなおい。誰が大怪獣だよ。いや、ゴリラを自負しているのも変な話だが。


「いや、私握力はあんまりない方なんで」


と無難に返すも、目の前の奴らは絶対まったくこれっぽっちも信じていない顔。


「今日本語喋ってる?」

「いや、喋ってないよ全然聞き取れなかったもん」

失礼だなおい。


授業はもう終盤に入っていたからまだ良かったが、こいつらは本当に授業という概念がないのか。馬鹿なのか。


「で?どうなったの?お見合い!!」


連れてこられた屋上で、目の前には金髪とチビ。

私が割ろうとした顎…いや、抑えた口元をわざとらしくさすりながら、チビもとい佐々木夕は、興味津々な顔で目を輝かしている。


「どうもこうも、業務の一環みたいな感じですよ」


一応、下手なことは言えないので無難に返すも、2人ともご不満な様子。


「俺らの律ちゃんが、悪い大人にメロメロにされてないか心配で夜も眠れなかったんだよこっちは~」

「嘘つけ」

「ねぇなんか俺にだけ手厳しくない???」


金髪もとい鳴さんは、白々しく泣き真似をするが、こいつはこの扱いでいいのだ。

ていうかなんだよ、悪い大人にメロメロて。


「いや、私結婚するわけじゃないので」

「結婚する気なくても、会って話すうちに気持ちが……っていうメロドラマあるじゃん」

「いやそれはドラマなんで」


自分でドラマ言うとるやないか。

小田もドラマの見すぎだと思うことが多々あるが、佐々木夕も意外とドラマを見るらしい。


「ちなみにどんな人だったの?俺よりかっこよかった?」

いや難しい質問。

「鳴さんとはタイプが違いますけど、性格は向こうの方が格段に上ですかね」

「俺より性格いい男いるんだ」


ナルシストおい。
こいつは自分探しの旅に出た方がいい。

矢継ぎ早に質問をされるが、本当に面白いことはなかったんだよなぁ。


「話せるような面白いことはなかったですよ」

「えー、じゃあ、律ちゃんも相手も普通に無事ってことー?」

おい。

「当たり前でしょ何を想像してんですか」

「もしかしたら血祭り見合いになってるかもって思って賭けてたのにー、なぁ鳴」

「俺ら血祭りに賭けてたのに」

「ちょ、ちょっとちょっと、揃いも揃って失礼すぎません?????」


他人で賭けるんじゃないよ。
ていうか逆に血祭りじゃない方に賭けてた奴いるのか?


「じゃあ蘭の一人勝ち?」


蘭〜〜〜〜!!あんたって子はぁ!!!

次会った時にはよしよししてあげよう。
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