年の差十五の旦那様 外伝②~いつか、それが『愛』になる~
第7話 私の幸せ
「それで、クレアはその人と出掛けることにしたの?」
夜。私は寝室で夕食を摂られた奥さまの食器を片付けていた。
そのとき、ほかでもない奥さまが私に問いかけてきたのだ。
「……まぁ、一応は了承したんですけど」
視線をさまよわせる。
少しでも奥さまの気がまぎれたら――と思って、夕食を運んだ際にアルロイさんとのことをお話していた。
もちろん、結婚を前提に――とか、そういうことは言っていない。ただ、お出掛けに誘われたということだけをお話した。
「そうなのね。楽しんできてね」
頬を緩めて奥さまがおっしゃる。
「よかったら、お出掛けのときのお話をまた聞かせて」
寝台からあまり動けない奥さまの今の楽しみは、侍女やメイドたちから聞くお話だそう。
あとは、たまにいらっしゃる旦那さまのいとこのジェセニアさま。それから奥さまの異母妹のエリカさんが持ってくるお話とかを聞くのも楽しみにされているそうだ。
「はい。たくさん話題を仕入れてきますね!」
私が勢いよく返事をすると、奥さまはくすくすと声を上げて笑われた。
「それはそうだけど、クレアが楽しかった思い出を話してくれるのが嬉しいの」
「……私が、ですか?」
「だって、あなたずっと私の面倒を見てばかりじゃない」
夜。私は寝室で夕食を摂られた奥さまの食器を片付けていた。
そのとき、ほかでもない奥さまが私に問いかけてきたのだ。
「……まぁ、一応は了承したんですけど」
視線をさまよわせる。
少しでも奥さまの気がまぎれたら――と思って、夕食を運んだ際にアルロイさんとのことをお話していた。
もちろん、結婚を前提に――とか、そういうことは言っていない。ただ、お出掛けに誘われたということだけをお話した。
「そうなのね。楽しんできてね」
頬を緩めて奥さまがおっしゃる。
「よかったら、お出掛けのときのお話をまた聞かせて」
寝台からあまり動けない奥さまの今の楽しみは、侍女やメイドたちから聞くお話だそう。
あとは、たまにいらっしゃる旦那さまのいとこのジェセニアさま。それから奥さまの異母妹のエリカさんが持ってくるお話とかを聞くのも楽しみにされているそうだ。
「はい。たくさん話題を仕入れてきますね!」
私が勢いよく返事をすると、奥さまはくすくすと声を上げて笑われた。
「それはそうだけど、クレアが楽しかった思い出を話してくれるのが嬉しいの」
「……私が、ですか?」
「だって、あなたずっと私の面倒を見てばかりじゃない」