年の差十五の旦那様 外伝②~いつか、それが『愛』になる~
 三つほど玩具を購入して、私たちはお店を後にした。

 アルロイさんの案内で劇場に向かう。彼はここら辺の立地に詳しくて、迷うことなく私を劇場へと連れてきてくれた。

「……すごい」

 私は劇場だという建物を見上げる。

 かなり大きな建物だ。さらに、外観が真っ黒だというのも、人目を惹く要因だろう。

 入り口前では人がごった返しており、入場にも時間がかかりそうだった。

「クレアさん、こっち」

 アルロイさんは私の手を引いて、入口とは違うほうに向かう。

 ためらいがちについていくと、たどり着いたのは裏口らしき場所。

「話は通してもらっている。ビヴァリーだ」
「お待ちしておりました。どうぞ、こちらに」

 警備の人は、私たちをすんなりと通してくれる。……ちょっとあの、これはどういうこと?

 手を引かれて、裏口から建物に入る。
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