年の差十五の旦那様 外伝②~いつか、それが『愛』になる~
アネットさんの目を見ると、彼女は楽しそうに笑っていた。
「どうしてわかったの――って、言いたげね。わかるに決まっているじゃない。だって、私はあなたとマリンのことをよく見ているもの」
アネットさんがソファーのひじおきの部分を指先でたたく。ピアノでも弾いているみたいに軽やかな指の動き。
「私には子供がいないから、これが母性というものなのかはわからない。ただ、あなたとマリンのことを……そうね。娘みたいに思っているのは間違いないわ」
目を真ん丸にしてしまった。
そうだったらいいな――と思ってはいた。だけど、言葉をもらえるとは思っていなかった。
「サイラスに言ったら殴られるかしら? あの人は私のことを嫌っているし、溺愛する娘の母親には相応しくないって言うかもしれないわね」
「それはないと思います!」
なぜだろう。大きな声で反論してしまった。
「サイラスさんは、アネットさんのこと嫌いじゃないです。……そりゃあ、昔はどうだったかわかりませんけど」
昔、アネットさんは旦那さまを捨てたと聞いている。しかし、そこには事情があった。
だれだって、自暴自棄になるときはある。特に大切な家族を亡くしたともなると――正気を保つのだって難しいはず。
私だって、マリンがいなくなったらと想像するだけで、おかしくなりそうだもの。
「どうしてわかったの――って、言いたげね。わかるに決まっているじゃない。だって、私はあなたとマリンのことをよく見ているもの」
アネットさんがソファーのひじおきの部分を指先でたたく。ピアノでも弾いているみたいに軽やかな指の動き。
「私には子供がいないから、これが母性というものなのかはわからない。ただ、あなたとマリンのことを……そうね。娘みたいに思っているのは間違いないわ」
目を真ん丸にしてしまった。
そうだったらいいな――と思ってはいた。だけど、言葉をもらえるとは思っていなかった。
「サイラスに言ったら殴られるかしら? あの人は私のことを嫌っているし、溺愛する娘の母親には相応しくないって言うかもしれないわね」
「それはないと思います!」
なぜだろう。大きな声で反論してしまった。
「サイラスさんは、アネットさんのこと嫌いじゃないです。……そりゃあ、昔はどうだったかわかりませんけど」
昔、アネットさんは旦那さまを捨てたと聞いている。しかし、そこには事情があった。
だれだって、自暴自棄になるときはある。特に大切な家族を亡くしたともなると――正気を保つのだって難しいはず。
私だって、マリンがいなくなったらと想像するだけで、おかしくなりそうだもの。


