年の差十五の旦那様 外伝②~いつか、それが『愛』になる~
「同性のほうが話しやすいことって結構あるものね。いいわよ。あなたが満足するまで付き合うわ」
ソーサーの上にカップを戻し、彼女は脚を組んだ。
アネットさんは美しい人だ。生まれが貴族ということもあり、所作も洗練されている。動きの一つ一つに無駄がなく、上品。育ちの良さもうかがえる。……もちろん、そうじゃないところもあるけど。
「そ、そのですね。……最近ある悩みがありまして」
意を決して切り出す。小さな声は彼女に届いているか不安だったけど、聞き返されないということは聞こえているのだろう。
膝の上で手を握って、うつむいて。心を奮い立たせる。
「私、どうしても行動する踏ん切りがつかなくて。アネットさんなら、正しい答えを出してくれるんじゃないかって――」
奥さまのことを疑っているわけじゃない。
ただ、私はアネットさんにも背中を押してほしかった。母親のように慕っている人だから、話したかったというのもある。
「ふぅん。まぁ、これでもあなたよりは長く生きているものね。でもね、私の答えが正しいとは限らないのよ?」
「わかって、います」
「あなたは知っているでしょうけど、私は一度婚約破棄になっているの。そして、離縁も経験している。あなたの恋の悩みの相談には適任とは思えないわよ?」
肩が跳ねた。だって、恋の悩みとか……まだ、言っていないのに。
ソーサーの上にカップを戻し、彼女は脚を組んだ。
アネットさんは美しい人だ。生まれが貴族ということもあり、所作も洗練されている。動きの一つ一つに無駄がなく、上品。育ちの良さもうかがえる。……もちろん、そうじゃないところもあるけど。
「そ、そのですね。……最近ある悩みがありまして」
意を決して切り出す。小さな声は彼女に届いているか不安だったけど、聞き返されないということは聞こえているのだろう。
膝の上で手を握って、うつむいて。心を奮い立たせる。
「私、どうしても行動する踏ん切りがつかなくて。アネットさんなら、正しい答えを出してくれるんじゃないかって――」
奥さまのことを疑っているわけじゃない。
ただ、私はアネットさんにも背中を押してほしかった。母親のように慕っている人だから、話したかったというのもある。
「ふぅん。まぁ、これでもあなたよりは長く生きているものね。でもね、私の答えが正しいとは限らないのよ?」
「わかって、います」
「あなたは知っているでしょうけど、私は一度婚約破棄になっているの。そして、離縁も経験している。あなたの恋の悩みの相談には適任とは思えないわよ?」
肩が跳ねた。だって、恋の悩みとか……まだ、言っていないのに。