両片思いだったのに略奪されて溺愛されました

店の名前が一枚板に彫られた看板の下を二人くぐり抜ける


店内に入ると、店員を見つけて席に案内してもらい後を歩く


入って左側へ進むと、一段上がった座敷の個室から「おつかれ!」の声が飛び交う


次々に叫び声が重なって、俺達もその声に被せた


「凄いね、見晴らしよくて」


高所恐怖症のくせに、って。つい、そんな言葉を出した杏に笑ってしまう

そんな事を考えながら、俺は座敷を一見してそれぞれの顔を確かめる






――うん、まだ。来てない

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