両片思いだったのに略奪されて溺愛されました
杏のマンションについて呼鈴を鳴らず
――出ない。
マジかよ、嘘だろ
部屋の灯りはついているのに、無反応
「杏~」
情けない声がドアの前で響くかとおもいきや、ザーっという雨がそれを消す
――あ。
まさか。
って、無いよな。
脳裏に浮かんだのは、ゲンの姿。
そういや見てこいって言われたんだった、って
余りの寒さにそんなことも忘れていた。
歯がガチガチと噛み合って音をたてはじめた
ま じ で さ む い