両片思いだったのに略奪されて溺愛されました


ドアの前で途方に暮れる。

身体にはもうこれっぽっちも体温が残ってないんじゃないか、ってほど冷たくなっていて、


身体にへばりついた洋服がじかに肌についてさらに身体を冷やす



何も考えれない



もう一度、呼鈴を鳴らそうと手をあげようとしただけでも震えが止まらなくて、ガタガタと手が上下する


ウオ――



「あのねぇ」


突然、扉が開いた


何が起きたかわからず、本能のまま、叫んで突っ込んだ。



「うおー! さびいー!」


「ぎゃ!冷たい!バカ!」


「寒い寒い寒い、ふっ風呂!」


「もう」



目の前にいた杏が、髪をくるんでいたバスタオルで今度は俺をくるんだ。


あったかい――


あったかすぎる

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