コンネリシャス王国の  恋物語
勿論ジュオン王子の冷気はダダ下がりになっていったのだが、それにも懲りずに

お城にはルル専用の部屋をいつも用意しているのでいつでも遊びに来てほしいと言った後サミュエル殿下がにこやかにほほ笑んでルルの手を取って甲にキスをしようとしたとたんジュオン王子は剣に手をかけようとして、リュウセイに何気なくその腕を抑えられていた。

ルルもさりげなく手を外して、そんなにしていただく必要はないとやんわりお断りしたのだが、ジュオン王子は

「サミュエル殿下ルルは私の大切な婚約者
なのでまもなく婚約も発表されます。
そういう気づかいはご無用です。
というより不愉快です」

と言い放った。

それにはシルバーも驚いて

「サミュエル殿下バンアロア国との貿易に
関しては私も興味がありますので後ほど
ゆっくりとその辺はお話いたしましょう」

と上手に切り返してくれた。

流石リュウセイとシルバーだ。

ジュオン王子の信頼厚い二人のナイスな連携で事なきを得た。

そんなサミュエル殿下の訪問もあって、ジユオン王子は一日でも早く婚約を発表したいと国王に掛け合ったらしく、一ケ月後に婚約式と婚約披露のパーテイが行われることになったのだ。

なので、それまでにチリルと話をしなければならない。

王子との婚姻が成れば気軽にはバンアロア国にはいけないし、ジュオン王子も許してはくれないだろう。

ルルはバンアロア国の特産のさつまいもや美味しいフルーツをもっとたくさんコンネリシェス王国に輸入されるといいと思っている。

そして、バンアロア国にコンネリシェス王国の進歩した技術や卓越したデザイン性で作られる素晴らしい製品を輸出できたらと思う。

シルバーにはバンアロア国がコンネリシェス王国に比べて流通が遅れている物やバンアロア国の特産品でコンネリシェス王国にはないものなどの情報も伝えている。
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