The previous night of the world revolution2〜A.D.〜
女子の方は、ミューリアが圧倒的だったが。

男子の方はどうか。

更衣室として用意していた隣のクラスの教室に行く。

そこでは高校生のむさ苦しい男達が、皆してスカートやワンピースに身を包み。ウィッグをつけて鏡の前でわいわいやってるという。

一歩間違えば、地獄絵図のような光景が広がっていた。

うん。なんか壮観。

「あ、ルナニア~。今から着替えんの?」

「おぉ、二人共ばっちり準備出来てますね」

変わり果てたエルスキーとアシベルの姿を見て、俺は思わず噴き出しそうになった。

エルスキーとアシベルは、それぞれ女子学生用のブレザーと、セーラー服を着ていた。

二人共、安っぽい、てかてかのウィッグをつけていた。

全っ然似合ってない。凄いな。

笑ってしまいそうになる。

「二人は制服ですか」

笑いたいのを必死に堪えながら、俺は何気ない風を装ってそう尋ねた。

「そ。通販で買った」

「可愛いっしょ?賞金は頂きだ~!」

嬉しそうなところ悪いけど、ちょっとその格好、撮影してアストラエアに見せても良いかな。

悶死するんじゃないか?

あと、俺がいる限りこいつの優勝は有り得ない。

こんなクオリティーの低さで、何が優勝だ。

しかし、他の生徒達もアシベルと似たり寄ったりであった。

赤ずきんの衣装とか、メイド服とか。

姉や妹、母親のものらしい女物の服を着ている者もちらほら。

女性の男装は、下手くそでもそれなりに見られるが、男性の下手くそな女装は見るに耐えないものがあるよな。

毛深いデブなおっさんがミニスカートとか履いてると鳥肌が立つだろう?それと一緒。

皆安っぽい、ちんちくりんな服ばかり。しかも似合ってないと来た。

これじゃあ俺とは張り合えないな。

「じゃ、ルナニア。俺らそろそろ出場順回ってくるから、先行っとくわ」

「えぇ。また後で」

二人が更衣室から去った後。

…それじゃ、俺もそろそろドレスアップするとしようか。
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