【完結】年の差十五の旦那様Ⅱ~義妹に婚約者を奪われ、冷酷だと言われる辺境伯の元に追いやられましたが、毎日幸せです!~
「……ティナちゃんは、賢いのね」

 そんな中、私は不意にそんな言葉を零してしまった。そうすれば、ティナちゃんは「……シェリル様も、とても賢いのでしょう?」と問いかけてくる。そのため、私はゆるゆると首を横に振った。

「いいえ。私もまだまだ勉強中よ」

 お世辞にも私は賢いとは言えない。そもそも、ろくな教育を受けていないに等しいので、同年代の女性よりも教養は劣るはずだ。それでも、ギルバート様もサイラスさんも根気強く私に接してくれている。それが……とても嬉しかった。

「私ね、いずれはギルバート様やみんなに恩返しがしたいわ。……いつか、出来るといいのだけれど」

 肩をすくめながらそう言えば、ソフィちゃんは「できます!」と言って私の手を掴んでくれる。そのまま手をつなぐと、私の身体にもたれかかってきた。

「シェリルさまはとてもおやさしいから、できます!」

 その理屈は何なのだろうか。一瞬だけそう思ったけれど、その言葉は素直に嬉しいものだった。だから、私は「……ありがとう」と言ってソフィちゃんの髪の毛を撫でる。

「こら、ソフィ、甘えてはダメよ」

 私にべったりなソフィちゃんを見て、ターラさんが軽く注意をする。それに私は「いえ、大丈夫ですよ」と口パクで伝えて、ソフィちゃんの頭をなでる。……いつか、本当にいつかのお話。私とギルバート様にも、子が出来たらこういう感じなのかなぁって。

(ギルバート様のお母様は孫を望んでいらっしゃるというし……私も、いずれはギルバート様の子が欲しいわ)

 そう思っても、まだ正式な夫婦でもないのだから今は無理。でも、本当にいつかは。ギルバート様との間に子が出来て、にぎやかな家族になりたいと思ってしまう。
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