【完結】年の差十五の旦那様Ⅱ~義妹に婚約者を奪われ、冷酷だと言われる辺境伯の元に追いやられましたが、毎日幸せです!~
「……そろそろ、行きましょうか」
私が一人で耽っていると、ターラさんがにっこりと笑ってそう声をかけてくれた。なので、私は「はい、行きましょう」と言って立ち上がる。ノールズの視察は一日限り。時間は有限あって無限ではないから、てきぱきと行動しないと町全体を見て回ることは出来ないかも。
「ソフィちゃん、ティナちゃん、行きましょうか」
二人に視線を合わせてそう言うと、二人は「は~い」と言ってベンチを降りる。
そして、私はターラさんに連れられて町の外れにある農業地帯に行ってみることにした。
「ここら辺は小麦がよくとれまして……」
ターラさんの説明を聞きながら、歩いていた時だった。不意に、うすら寒い空気を感じてしまう。思わず身を震わせれば、ティナちゃんが「シェリル様?」と問いかけてくる。
(……気のせい、だと思うのだけれど)
この魔力の感覚は『彼』のものとそっくりだ。……ううん、王都からリスター伯爵領まではかなりの距離があるし、もしも彼がエリカのことを追いかけてきたとしても――こんな場所にいるわけが、ない。
そう思うのに――見えた後ろ姿に、私は血の気が引くような感覚に襲われた。
私が一人で耽っていると、ターラさんがにっこりと笑ってそう声をかけてくれた。なので、私は「はい、行きましょう」と言って立ち上がる。ノールズの視察は一日限り。時間は有限あって無限ではないから、てきぱきと行動しないと町全体を見て回ることは出来ないかも。
「ソフィちゃん、ティナちゃん、行きましょうか」
二人に視線を合わせてそう言うと、二人は「は~い」と言ってベンチを降りる。
そして、私はターラさんに連れられて町の外れにある農業地帯に行ってみることにした。
「ここら辺は小麦がよくとれまして……」
ターラさんの説明を聞きながら、歩いていた時だった。不意に、うすら寒い空気を感じてしまう。思わず身を震わせれば、ティナちゃんが「シェリル様?」と問いかけてくる。
(……気のせい、だと思うのだけれど)
この魔力の感覚は『彼』のものとそっくりだ。……ううん、王都からリスター伯爵領まではかなりの距離があるし、もしも彼がエリカのことを追いかけてきたとしても――こんな場所にいるわけが、ない。
そう思うのに――見えた後ろ姿に、私は血の気が引くような感覚に襲われた。