【完結】年の差十五の旦那様Ⅱ~義妹に婚約者を奪われ、冷酷だと言われる辺境伯の元に追いやられましたが、毎日幸せです!~
「しぇ、シェリル……?」

 どうして、このお方は私が少し積極的になっただけで狼狽えるのだろうか。

 そう思いながら私は上目遣いになりながらギルバート様に笑いかける。その瞬間、彼の顔がカーっと赤く染まった。

「少しだけ、甘えさせてくださいませんか……?」

 いつだったか。体調を崩した時にもこれと似たようなお願いをしたような気がする。今は元気だし、魔力の方もそこまで問題ない。……それでも、ほんの少し甘えたい。

「あ、あぁ、それは、構わないが……」

 私の言葉にギルバート様は嫌なお顔一つせずに頷いてくださる。……そのお顔が照れたようになっているのは、気のせいじゃない。

 そのまま私は彼の手に自分の手を重ねて、握りしめる。大きな男の人の手。……なんていうか、胸がきゅんとする。

「シェリル。今日は……その」
「どうしました?」
「随分と、積極的だな……?」

 ……確かに、今日の私はちょっと積極的かもしれない。理由なんて簡単なのだけれど。

(ギルバート様が私のことを愛しているとおっしゃってくださったことが、とても嬉しかったの)

 このお方は口下手だから、愛しているとか大好きとか滅多におっしゃってくださらない。その所為で、私はこの気持ちが一方通行なのではないかと思ってしまっていた。

 決してそんなことはないのだろうけれど、ギルバート様は私が『豊穣の巫女』だからそばに置いている……という可能性も、あったから。

 でも、エヴェラルド様に対して堂々と愛していると言ってくださったことが、とても嬉しくて。私は彼の肩に頭を預けながら、目を瞑る。
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