【完結】年の差十五の旦那様Ⅱ~義妹に婚約者を奪われ、冷酷だと言われる辺境伯の元に追いやられましたが、毎日幸せです!~
「お義姉様。まずは落ち着きましょう。手が震えていては、ダメよ」
「わ、わかっているわ」
「貴族の女性は堂々としたもの勝ちなの。……お義姉様ならば、出来るわ」
エリカにも激励され、私は必死に笑みを貼り付けて教わった通りの動きをする。でも、なかなかうまくいかない。
(堂々としたもの勝ちって言われても……その、私には、ちょっと難しいような……)
散々虐げられてきたに近しいのだ。そんなこと出来るわけがない……って、思ったら負けよね。とりあえず、出来るようにと頑張らなくちゃ。
堂々と胸を張って、笑みを顔に貼り付けて。私ははきはきとした声でお話をする。……他者から見て出来ているかは、わからないけれど。
「……ふむ、本日はこれくらいにしましょうか」
それから数十分が経って、サイラスさんは終わりの合図をくれた。それにほっと息を吐いていれば、サイラスさんは「小規模はこれくらいでいいですが、大規模なものとなりましたらまた別ですよ」と厳しい言葉をくれる。……うん、頑張らなくちゃ。
「貴族の女性は揚げ足取りが好きよ。失敗しても、堂々と振る舞っていれば逆に揚げ足はとられないの」
「……そ、そう、よね」
「まぁ、失敗しないのが一番だけれどね」
エリカはそう言いながら紅茶を口に運ぶ。その後ろにはマリンが控えており、どうやらエリカとマリンは相当親しくなったらしい。それに、私はほっと息を吐く。
「わ、わかっているわ」
「貴族の女性は堂々としたもの勝ちなの。……お義姉様ならば、出来るわ」
エリカにも激励され、私は必死に笑みを貼り付けて教わった通りの動きをする。でも、なかなかうまくいかない。
(堂々としたもの勝ちって言われても……その、私には、ちょっと難しいような……)
散々虐げられてきたに近しいのだ。そんなこと出来るわけがない……って、思ったら負けよね。とりあえず、出来るようにと頑張らなくちゃ。
堂々と胸を張って、笑みを顔に貼り付けて。私ははきはきとした声でお話をする。……他者から見て出来ているかは、わからないけれど。
「……ふむ、本日はこれくらいにしましょうか」
それから数十分が経って、サイラスさんは終わりの合図をくれた。それにほっと息を吐いていれば、サイラスさんは「小規模はこれくらいでいいですが、大規模なものとなりましたらまた別ですよ」と厳しい言葉をくれる。……うん、頑張らなくちゃ。
「貴族の女性は揚げ足取りが好きよ。失敗しても、堂々と振る舞っていれば逆に揚げ足はとられないの」
「……そ、そう、よね」
「まぁ、失敗しないのが一番だけれどね」
エリカはそう言いながら紅茶を口に運ぶ。その後ろにはマリンが控えており、どうやらエリカとマリンは相当親しくなったらしい。それに、私はほっと息を吐く。