【完結】年の差十五の旦那様Ⅱ~義妹に婚約者を奪われ、冷酷だと言われる辺境伯の元に追いやられましたが、毎日幸せです!~
「……そうだわ。お義姉様」
「どうしたの、エリカ」
不意にエリカが私に声をかけてきたので、私は小首をかしげながらそう問いかける。すると、彼女は「……私、ここを出て行ってからの道を決めたわ」と言いながらゆるゆると首を横に振る。
「私、もう王都には戻らないわ。ここで――リスター伯爵領で、暮らすわ」
「……エリカ」
「とはいっても、ここにいつまでもお世話になるわけじゃないから安心して。……近くの街で、アパートを借りて一人で暮らすの。接客のお仕事を見つけようとも、思っているのよ」
肩をすくめてエリカがそう教えてくれる。……そっか。
「そうなのね。……でも、大丈夫?」
いろいろと物入りだろうし、アパートを借りるにはお金だっている。そんないきなり……とは思う。
「えぇ、大丈夫よ。……実は、ここでも細々とお仕事をさせてもらっていたの」
「……え」
「とはいっても、本当の雑用だけよ。ただでおいてもらうわけにはいかないじゃない」
……なんていうか、この子は本当に成長したのね。そう思ったけれど、きっとこちらが本当のエリカなのだ。そう、思った。
「でも、どうせだからってお給金としてほんの少しもらったわ。……それで、アパートを借りようと思うの」
「……そうなのね」
「お義姉様の婚約者の方には、すぐに出て行ってほしいって初期の頃に言われていたし」
それはエリカなりの自虐だったのかもしれない。それにくすっと声を上げて笑えば、エリカは「……だから、お義姉様はご自分の幸せを優先して」と言いながら目を伏せていた。
「……エリカ」
「恩返しもできずに出て行くのは心苦しいけれど、お義姉様の幸せを私は祈っているわ」
儚げに笑って、エリカがそう言う。……だからだろうか、私は「私も、エリカに幸せになってほしいわ」と自然と口にしていた。
「どうしたの、エリカ」
不意にエリカが私に声をかけてきたので、私は小首をかしげながらそう問いかける。すると、彼女は「……私、ここを出て行ってからの道を決めたわ」と言いながらゆるゆると首を横に振る。
「私、もう王都には戻らないわ。ここで――リスター伯爵領で、暮らすわ」
「……エリカ」
「とはいっても、ここにいつまでもお世話になるわけじゃないから安心して。……近くの街で、アパートを借りて一人で暮らすの。接客のお仕事を見つけようとも、思っているのよ」
肩をすくめてエリカがそう教えてくれる。……そっか。
「そうなのね。……でも、大丈夫?」
いろいろと物入りだろうし、アパートを借りるにはお金だっている。そんないきなり……とは思う。
「えぇ、大丈夫よ。……実は、ここでも細々とお仕事をさせてもらっていたの」
「……え」
「とはいっても、本当の雑用だけよ。ただでおいてもらうわけにはいかないじゃない」
……なんていうか、この子は本当に成長したのね。そう思ったけれど、きっとこちらが本当のエリカなのだ。そう、思った。
「でも、どうせだからってお給金としてほんの少しもらったわ。……それで、アパートを借りようと思うの」
「……そうなのね」
「お義姉様の婚約者の方には、すぐに出て行ってほしいって初期の頃に言われていたし」
それはエリカなりの自虐だったのかもしれない。それにくすっと声を上げて笑えば、エリカは「……だから、お義姉様はご自分の幸せを優先して」と言いながら目を伏せていた。
「……エリカ」
「恩返しもできずに出て行くのは心苦しいけれど、お義姉様の幸せを私は祈っているわ」
儚げに笑って、エリカがそう言う。……だからだろうか、私は「私も、エリカに幸せになってほしいわ」と自然と口にしていた。