【完結】年の差十五の旦那様Ⅱ~義妹に婚約者を奪われ、冷酷だと言われる辺境伯の元に追いやられましたが、毎日幸せです!~
「エリカの気持ちを考えて。ロザリア様のおっしゃった通り、貴方のしていることは一方的な愛情の押しつけよ」

 それだけを告げて、私は踵を返す。すると、エヴェラルド様は「ま、待てっ!」と叫ばれていた。

「僕に喧嘩を売ったこと、ただじゃおかないからな!」

 彼は私のことを強くにらみつけながらそう叫んでいた。……ただじゃおかない、か。

「上等よ。エリカのためだったら、私は貴方を敵に回すことだって構わないわ――」

 確かに、アシュフィールド侯爵令嬢時代だったら、こんなこと言えなかった。だけど、私はここで愛されることを知った。そして――。

「私はここで愛されることを知ったわ。なら、その分私がエリカに愛情を注ぐ。……もう、あの子を苦しめたりしないわ」

 エリカにとって、私の存在が苦痛だったのだろう。私よりも優れていると自分を証明しないと、居場所がなかった。そんな悲しい状態に、もう二度と陥らせない。

「……きれいごとを!」
「きれいごとで結構よ。私はエリカのことを愛している。愛された分、私があの子を愛するのよ」

 堂々とそう宣言すれば、後ろからサイラスさんの「シェリル様……!」と言うような声が聞こえてきた。そのすぐ後にロザリア様の「……まったく」というような声も聞こえてくる。

「これはいわば償いなの。……あの子からずっと目を逸らし続けてきた、私なりの」

 ボソッと小さくそう呟いてしまう。

 小さなころはあの子が愛されることが妬ましくて仕方がなかった。でも、あの子なりの苦しみがあることを知った。それは呪いに手を出すほどだった。……私が、あの子を愛することが出来るのならば。
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