【完結】年の差十五の旦那様Ⅱ~義妹に婚約者を奪われ、冷酷だと言われる辺境伯の元に追いやられましたが、毎日幸せです!~
「……シェリル様」

 そんなことを思っていると、不意にロザリア様が私に声をかけてくれた。なので、私が「どう、しました?」と問いかけると、彼女は「……いえ、大したことではないのです」と言ってそっと目を伏せる。

「大したことではないのですが……その」
「……はい」
「エリカ様は、本当にシェリル様のことが大好きなんですよ」

 そして、彼女は意を決したようにそう言ってにっこりと笑いかけてくれた。

「……エリカ様と、何度か会話をする機会がありました。彼女はシェリル様が大好きだって、何とも言っていました」
「……そう、なの」
「はい」

 実際、人からその話を聞くといろいろと思うことはある。私のやってきたことが偽善だとか、そう言われる覚悟だってあったのに。あの子は、こんな私を好きだと、大好きだと言ってくれている。それが、どうしようもないほどに嬉しかった。

「でも、だから……迷惑を、かけるのは嫌だって」

 しかし、次に発せられたロザリア様のお言葉に、私は息を呑むことしか出来なかった。……迷惑だなんて、思っちゃいないのに。

「本当は一人で解決したかったとも、おっしゃっておりました」

 ……そっか。それが、エリカの気持ちだったのか。

 そう思いつつも、私は前を向く。

「私、エリカにかけられる迷惑は、迷惑じゃないと思うわ」

 それから、真剣な声でそう告げる。

 お父様やお義母様にかけられる迷惑は、確かに迷惑だ。でも、エリカだけは。エリカだけは――違うのだ。
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